トムトム

先日、トムトムに乗りました。

ドナドナじゃないよ。

いや、ドナドナとは同じかも。

つまり、馬車に乗ったのです。

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馬車はオールドダッカで乗り物として走っています。バングラ人知人の話によると、バングラデシュ内で馬車が走ってるのはオールドダッカだけなんだって。でもね、オールドダッカって野原や山道じゃないんだよ。普通のアスファルトの道路だよ。車もバスもCNGもリキシャも走ってる。そしてさらに、オールドダッカはダッカ内で有名な大渋滞エリアなの。だから、道路は乗り物でぎっしり。

そんな中を2頭の馬がカボチャの馬車を骨組みだけにしたような車をひいていくのです。

車の一番前には鞭を持った御者が座り、なにか掛け声をかけながら、馬を走らせる。その運転席の後ろも乗客3人ぐらいが乗れるスペースがあり、あとの乗客は骨組みの馬車の中。そこには大人6人が乗れます。そして、運賃を集めたり、曲がるときに馬がちゃんと動くように横で見張るためのお手伝いの少年が1人。

料金は、リキシャよりちょっと高いぐらいかなあ。同じルートをリキシャも走ってるのに馬車を選ぶ人もいる、ってことは、そんなにベラボウには高くないはず。学校帰りの学生、書類をかかえたサラリーマン、なんかが普通に乗ってたからね。

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馬車、乗り心地は悪くなかった。けど、乗ってる間、心中は複雑でした。ずっと乗りたかったんだけど、なんだかいざ乗ってみたら、お馬さんが可哀相になってきて。。。って、エセ動物愛護心だね。でも、「車やリキシャの走る騒音の中、けなげに走る馬」って哀愁誘っちゃうでしょ。以前、リキシャにでもひかれたのか、蹄から血を出しつつ走る馬も見たことあるし、総じてお馬さんはみんなガリガリに痩せてるし、「大きな荷物を運ぶロバ」以上に「リキシャの横で走る馬」ってのは悲壮感が漂ってるのです。

もう一度乗れたから、十分。

ちなみに、なぜ馬車をトムトムと言うかというと、馬の走る音が「トムトムトムトム」って聞こえるからだって。日本語なら、パッカパッカでしょうかね。

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