インド最高裁の「第三の性」容認

毎日新聞の日本語の記事。

インド最高裁が今月15日、身体的な性と自身の性認識が一致しない「トランスジェンダー」(TG)を男性でも女性でもない「第三の性」として認める判決を出した。その多くは、女性のように振る舞い「ヒジュラ」と呼ばれ、歴史的に差別の対象となってきた人々だ。

ヒジュラではないTGの人達もこの判決には喜んでいるだろうけど、ヒジュラといえば、2週間前にも見かけました。
マイソールからバンガロールへ戻る高速道路の料金所付近で、「ぱんぱんっ」と手を叩く音がしたから、まさか!と思ったら、やはりサリーを着たヒジュラでした。
インドの他の都市でもバングラデシュでも見かけたけど、ヒジュラの高圧的な態度の物乞い、私けっこう好きです。怖いもの見たさ、みたいなとこもあるかもな。人によって化粧に力を入れる人と全く無頓着な人がいて、その観察が面白かったりします。

で、この「第三の性」を認める判決で注目されているのは、今後、同性愛を禁じるインド刑法377条(最高刑は終身刑)が見直されるかどうかみたいです。
ヒジュラと同性愛者というのは重なることはあっても違うジャンルだと思うからこの刑法の見直しはもっと広い意味で意義のあることだろうと思うのだけど、この第377条、今までに一度違憲判決が出た後、また覆されて合憲判決となっている。

2009年7月
同性愛者の性交渉容認 インド裁判所(47NEWS)

ニューデリーの高等裁判所は2日、同性愛者の性交渉を犯罪行為とする、約150年前の英国植民地時代に制定された刑法は、インド憲法で定めた個人の権利などを侵害しているとする判決を下した。

2013年12月
インド最高裁、同性愛を認めず―下級裁判決を棄却(ウォールストリートジャーナル)

インドの最高裁判所は11日、同性愛を合法とした下級裁の判決を覆す決定を下した。おおむね保守的な国柄のインドでようやく進んでいた同性愛容認の機運に突然水を差すもので、権利擁護団体は深く失望している。

なんというか、同性愛に対する考えは個人の自由だと思うけど、法がそれをしばるのは違うなあ。

余談。
続けて調べていたら、今回のインド総選挙でヴァラナシ地区からTGの候補者がいるみたいです。
「ヴァラナシはシヴァの土地だからardhnarishwara(シヴァ神と奥さんのパールバティ神が半身ずつくっついて1人の神様になってる)の土地でもあります。だから私に投票してね。」みたいな事を言っていました。
General elections 2014: Transgender challenges Narendra Modi, Arvind Kejriwal in Varanasi

そもそも第三の性の神様がいるんだから、インドはもっと大らかな国でいてほしいな、やっぱし。

ardhanarishvara
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